SHEP PLUS研修会の総括 自主性育成の大切さを伝える

おはようございます。

ナイロビ市内でのSHEP研修が終わりました。
今回は総集編ということで文字に起こそうと思います。

詳細な情報やなにか誤った個所があれば遠慮なくご指摘下さい。

 

SHEP PLUS研修会 総括と学びの綴り

 

SHEPアプローチの目的と概要

■Smallholder Horticulture Empowerment & Promotion(SHEP)

このアプローチはケニア農業省とJICAの技術協力プロジェクトで開発されたアプローチのひとつです。
小規模の園芸農家を支援するのが主な目的です。

“作って売る”から”売るために作る”への意識変革を起こし、営農スキルや栽培スキル向上によって農家の園芸所得向上を目指すものです。

このアプローチによる実践を経て2年間(※2007年6月?2009年10月現在)で2,500もの小規模農家の収入を倍増させたという実績があります。

実績があることもありケニアで研修を主催し、今回各国から(ブルキナファソ、マリ、セネガル、マダガスカル)研修員がやってきたわけです。

 

このアプローチは次のような形で運用されます。

1.Problem map

2.Objective map

3.Action plan

 

Problem map(問題図)

小規模農家は大規模農家よりも多くの点で問題を抱えています。
例えば保有している土地面積、低品質の野菜、需要と供給のニーズに関する情報不足など。

こうした問題を解決するには、まずは”具体的に”どんな問題があるのかを把握しなければなりません。

その手法の一つがProblem map(問題図)です。
この作業の目的は大きくふたつあります。

①農家が抱えている問題を可視化すること
②農家が主体的に行動するような姿勢を育てること

持続可能を意識させ、自分たちでできることから始められるような活動を選定します。
小さくともモチベーションが長く続くような意識づけが必要なのです。

そうした意識を持ち続けるためにも、達成できるような目標・ハードルを設定することが大切です。
ファシリテーターの方もここは注視しながら運営しているように感じました。

例えば「それは●●の資源はあるの?」「▲▲の補助金がなくなった場合の可能性は?」など都度声をかける工夫をされていました。

 

Objective map(目的図)

問題の選定ができたら次は目的(objective)の設定です。

SHEPでは問題を次のような置き換えを行うことで問題解決するという考え方をとっています。

例)農作物の品質が悪い(problem map)➟農作物の品質が良くなる(objective map)➟品質が良くなるための行動(action plan)

この手順のふたつ目を決定します。
どんな達成目標を、どんな優先順位でランク付けするのか、それを選定していきます。

ここでも目的に固執するのではなく、前後との関係も把握するようファシリテーターは促します。

優先順位の高い問題から順番に解決しようとしているか、その目標はいまの実力にあっているのか。そんなことを都度確認しながら進めます。

 

 

Action plan(行動計画)

達成目標を設定したらいよいよ行動計画です。

どんな資源があるのか、期間はどれほどか、持続性はあるか、役割はどうするか、
それぞれ再現性のある内容かどうかを確認します。

ここで高すぎる目標設定を掲げてしまうと達成できません。
それがその後のモチベーションや仲間同士での信頼関係の崩壊にも繋がります。

あくまで自身でできる目標を設定し、他人に依存しないような姿勢づくりがここで大切にすべきことです。

例えば「収益性が高いから●●」「補助金も使えるから▲▲がいい」といった行動計画はしないようです。
そうではなく「■■なら少額だけれど確実にリスクコントロールもできるからやりましょう」「それで貯まった積立金で●●を運用し始めましょう」
こうした進め方をしていました。

 

 

初めての多国籍会議ですこし浮かれる

外国人を交えたミーティングに参加させて頂いたのは初めてでした。

例えばタイムキーピングやスケジュールに対する意識はそれほどない、ジェスチャーを多用する、その場を締める際には歌を歌うとか。
参加者がフランス語で歌い、握手を交わし感謝の意を伝える。こうした感覚はなかなか日本ではありません。

 

個人的にはとても良いなあと感じました。
会議というよりは参加型の研修なので、そこもよかったのかもしれません。

 

参加者全体でその研修をつくり共有する。
それを自国や地域にどう還元するかを考える。
そんな雰囲気づくりも運営でとでも大事だなとわかりました。

毎日2時間弱の振返りの時間があるのですが、運営側はその成果や達成度をしっかり確認する必要があります。

 

 

真摯に学ぶ姿勢と人間関係が運営するうえで大切

個人的な見解です。

今回の研修が上手くいった要因は参加者の雰囲気づくりにあったと感じます。

このアプローチの考え方や実務は手間がかかりますし、確証のあるプロジェクトでもありません。
初めて取り組む人にとっては不安だと思うでしょうし、そこまでしなくてもいいと思う方もいると思います。

しかしなにを達成するためには”できること”を自分の力でコツコツ積み重ねなければできません。
達成したいことに対する知識、経験、人との交流づくり、ほかにも要素はいくつもあります。

つまりこのことを心の底から理解し、それを共有し、ともに行動に移し、振返りを行う。
これを主体性をもって続けなければ、真の意味での成功にはなりえない。

だからこそそれを理解した人、理解できるような価値観をもっている人と一緒に、学んでいく必要があるんじゃないかなと感じました。

なにをするにも当てはまることかもしれませんが、言葉が通じないからこそ、そんな真髄にも似たものをより強く感じたのかもしれません。

 

 

介入せずに放置することが求められることもある

最後にもうひとつだけ。

個人や組織に”自主性”が生まれなかったらどうするのか専門家にお聞きしました。

つまり組織やコミュニティの全体合意がとれない、収益性ばかり意識して絵に描いた餅ばかり言い続ける、他人に依存しがちな傾向がみられる、
そうした状況に直面した場合はどのような対応をとっているのか聞いてみました。

その答えは”放置する”でした。

理由はひとつ前のコラムで書いた通り、真の意味で理解しなければ一時的なもので終わってしまうからです。
なにより当人にとって意味がない。

目まぐるしく変化する環境とともに生まれる問題に、それぞれ臨機応変に対応しなければなりません。
だからこそ自主性や再現性をものにしなければならないのです。
自分で考えること、思考を続けること、これを無くして前進はないと仰っていました。

実績のある方の言葉には確かに説得力があり、同時に愛情もそこにあるように感じました。

 

 

具体的な活動計画が見えはじめた

というわけで5日間に渡るSHEP研修も終わりました。

畑や市場で人の顔をみて情報を仕入れる、メンバーで議論を深める、ときには歌を歌い楽しむ。
さらに運営側としてのスケジュール管理やフィードバックの大切さも教えて頂きました。

今回のやりかたが答えではないのですが、ひとつのモデルになりました。

 

これを任地ルアンダやエムハヤの農業普及と所得向上につなげること。
また帰国後の働き方や地域づくりに活かせる点が多く見つけることができました。

これを書いて満足することなく、来週から少しずつ戦略を練ります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

▷山形県天童市出身▶︎青年海外協力隊員 ▷jocv 2018-2 コミュニティ開発(農作物栽培×地域活性化) ▶︎大学卒業後→経理財務→焼肉屋→現在▷心地よい生活を求めライフスタイル探求中▶︎料理とお菓子作り好き▷色んなものを疑いながら日々生活中